紙幣画像をモチーフとして利用する実験


お札のイメージ画像を印刷する方法



AdobePhotoshopでは紙幣画像は利用できない

お札をコピーして偽札を作ってはいけませんが、紙幣をモチーフにしたデザイン利用は可能です。例えばパンフレットやリーフレットなどに紙幣画像を利用すると云ったことは珍しくもありません。当WebSiteの[FAQ]-[Q08.別の目的で紙幣を複写したい]にも記述しましたが、誰もが「偽札として使う目的でない」事が理解できるようにしたり、画像そのものが第三者により悪用されないような形式である事などを条件に表現すれは紙幣画像をモチーフにデザイン利用は出来ると考えます。

手順はイメージスキャナーで画像化したものを写真編集やお絵かきソフトなどのドロー系で加工するのが一般的ですが、その紙幣画像を編集するツールとして「Adobe PhotoshopCS」を利用することは出来ません。仮にPhotoshopで紙幣画像を読み込もうとすればメッセージが表示されます。

Photoshop

なお、紙幣画像の編集抑止をユーリオンによるものであるとの記述をされているWebSiteがありますが、それは間違いであると考えます。私の実験によるとPhotoshopがユーリオンを認識し読み込みを中断すると言う結論には至らず、仮にユーリオンを紙幣画像から全て削除しても、Photoshopで紙幣画像を読み込む事は出来ませんでした。
紙幣の一部または全部のイメージを認識できる機能があると想像します。

・証明実験
2022年前後の複合機にはユーリオンを採用していないと見られる実験結果を得ることができました。詳しくは、「複合機 偽札 防止機能 評価実験(2)」を御覧ください。

5euro本物

5euro赤潰し

上の写真は上下共に5ユーロ紙幣の画像です。
上段は通常イメージスキャナーで読み込んだ画像。
下段はユーロ紙幣の特長と思われる箇所及びユーリオンを赤で潰した画像。
上下何れの場合もPhotoshopで画像を読み込む事は出来ませんでした。


AdobePhotoshop以外なら利用できる

Photoshopで紙幣画像を読み込む事は出来ませんが、Photoshop以外のアプリケーションソフトを利用することが可能です。同じAdobe製品でも「Illustrator」や「InDesign」は何ら問題なく読み込めますし、他社ですが「Paintgraphic」なども編集や出力が可能です。Illustratorでゲラを作りPDF化するなど行程を工夫することで紙幣画像を利用できます。

Illustratorなら紙幣画像を読める



どうしてもAdobePhotoshopを利用したい人

本当の理由はわかりませんが、Photoshopに紙幣をイメージさせないようにすれば読み込めることも実験で確認しました。例えば紙幣をイメージスキャナーで画像化するときに、細かく裁断した画像を用意すれば、Photoshopは紙幣とは認識せずに読み込んでしまいます。下の画像は5ユーロ紙幣を横に8分割した画像を用意しPhotoshopで取り込んでから元に戻す課程です。

※裁断すると言っても実際に切るワケではありません。紙にスリットを作り紙幣をずらしながら複数回スキャンするだけのことです。

紙幣と認識させないならPhotoshopでも紙幣画像は読める


■注意
何らかの理由で紙幣をモチーフにしたものをデザインする場合、第三者によってその印刷物が偽札として利用されないような配慮も重要です。例えば、「斜線を入れる」「見本」「サンプル」などを書き加える、解像度を下げる、モノクロで印刷する、半分以下にサイズを縮小するなどを検討すると良いでしょう。



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