ユーリオンの作り方 詳細


安易なカラーコピーを抑止する。


はじめに
複合機などのカラー複写機能を抑止する効果があるユーリオンは簡単に自作することができます。5つの丸で構成されたユーリオン図形を本物の紙幣から画像化し忠実に印刷するだけです。似たようなではNGで極めて同じである必要があります。
極論、紙幣のユーリオン部位をハサミで切り抜き白紙に貼り付ければ複合機でのカラーコピーは抑止できます。

必要機材
1)イメージスキャナー 600dpi以上(1200dpi推奨)
コピーFAXスキャナー機能をもった複合機は利用できないことがあります。
イメージスキャナー専用機を推奨します。

2)パソコン
それぞれが利用できる環境であればOSや機種に依存しません。

3)ドロー系ソフト
紙幣画像が描画編集できるAPまたはツール。
アドビ系(Photoshopなど)では紙幣そのものが読み取れないのでそれ以外を利用します。

4)カラーページプリンタ 600dpi以上
トナーを利用したカラーページプリンタ、またはイメージセッタ、CTPなどプロ向け印刷機。
高解像度であっても家庭用および小規模オフィース向けのインクジェット式プリンタで成功したことはありません。

5)複合機(動作確認用)
企業の事務所に設置されているゼッロクス、キヤノン、リコーなどの複合機による動作チェックを推奨します。家庭用のインクジェットプリンタとスキャナーを備えた複合機にはユーリオン判定が搭載されていない機種が多く実験利用できません。

コンビニの複合機では絶対に動作確認(実験)を行わないでください。
ユーリオンを感知すると停止しエラー表示と共にエラー音が鳴り響き全ての動作がロックされます。解除機能も備わっていませんので、コンビニ店員では対処できないことが多く営業妨害などトラブルに発展することも想像できます。またコンビニ複合機はシャットダウンから再起動までOS起動とネットワーク環境もありとても時間がかかるので実験対象にしてはいけません。


ユーリオン作成手順
ユーリオンは、同じサイズ、同じ色、丸の間隔と配置などバランスが絶対条件です。下記手順は一例です。

1)本物の紙幣からユーリオンを採取
イメージスキャナーに紙幣をセットし600dpi以上で画像採取します。ユーリオンは黄色い丸が5つの組み合わせでオリオン座に似ています。E券1000円札(野口英世)ならオモテ面の漢字千円の右側、ウラ側なら右下、朱色印影の右側にあります。
1000円札のユーリオン位置

2)ユーリオンのみをトリミング
ドロー系ソフトを使い、ユーリオンだけ精密に分離します。
黄色い円は中心に空白のある丸です。黄色の塗り潰しではありません。
ポイント:画像化するとどうしてもオリジナルとの差異より色校正が必要となり、輪郭はジャギーでぼやけます。ドロー系ソフトを使って綺麗に補正すると効果に期待が持てます。ユーリオンの丸の縁取り、つまり輪郭のアウトラインを採取するのですが、輪郭は本物より大きくなったり小さくならないことが重要です。真円が描けるツールでジャストサイズで再描画します。丸の縁取りと内側の輪郭が真円になるよう補正できたら黄色(Y100)とします。採取したままのジャギーを残さない、画像化手順においてのピクセル数との関係も留意します。
1000円札のユーリオン

ユーリオン

3)ユーリオン図形を画像ファイルとして保存
保存する画像は圧縮などはせずにオリジナルに極めて忠実になるようファイル化します。
JPEGで圧縮ではなくBMPで保存するイメージです。

4)ユーリオン図形をプリント
プリントは実寸でカラーコピー抑止対象にプリントします。
ユーリオンは5つの黄色い丸が配置されています。正しいバランスとサイズであれば縦横に関係なく機能します。本来はユーリオン図形1つでも配置されていれば複合機はカラー複写を停止しますが、機種個体差やユーリオンの出来不出来などを考慮し、対象物への印刷は90度つづ回転させ4種を複数箇所に配置すると効果が高くなります。
印刷は同色がない場所に配置する、例えばバックに柄が多いのであればユーリオンの輪郭だけ柄を除く処置をされると良いでしょう。
ユーリオン

カラー
実験では黄色(Y100)以外の単色でもカラー抑止機能を確認しています。仕様なのか複合機依存なのか不具合なのか不明です。紙幣が黄色であることを考え他色では考えない方が安全と思われます。

問題点
意図せずに複写した場合でも複合機は停止します。コンビニ複合機ではエラー発生時の回避策もなく(指導されておらず対応手順が明確でない)、コンセントを抜くなどのトラブルに発生する可能性も想像できます。個人保存のため記録として欲しくなるようなドキュメントには「カラー複写禁止」との警告をいれることも検討するべきでしょう。
白黒複写機、単機能なイメージスキャナーで紙幣画像が採取できるのと同様に無力な場面もあります。
WebPageでの利用はできません。写真や絵にユーリオンを配置しWebPageへ画像を貼り付けても画像DL前後で画像種を変更されたり倍率が変わるなどユーリオン劣化が発生し印刷や複製が可能となり効果はありません。

失敗する方へ
本物の紙幣はコピーできないのに自作ユーリオンだとコピーできてしまう人、オリジナルと違うという1点のみです。似たようなものではなく完璧な大きさと位置関係と色が絶対条件です。PCのAPで印刷時、倍率を等倍にしたからと言って必ずしもオリジナルと完全一致とは限りません。自作したユーリオンと紙幣を拡大し完全に重なるかなど再考してください。インクののりが悪い、発色、実は黄色ではないなどの違いがあると思います。インクジェットは見た目に似ていても拡大鏡で見ると点の集まりがトナーよりも派手に見えます。インクのハネや濃淡など確認をしてみると良いでしょう。

ユーリオン以外の抑止機能
家庭用複合機やプリンタにおいて紙幣が印刷ができない仕組みは施されています。例えばWebPageから紙幣画像をダウンロードし印刷すると停止するなどの現象が発生します。実験ではユーリオンとは関係なく紙幣の画像を認知できる仕組みがあると思われます。例えば一万円札模した百万円札のメモ帳も複写できません。AdobeのPhotoshopや複合機も同様な機能をユーリオンと併用し搭載されているかに思えます。さらに、アメリカドル紙幣にある連邦準備制度のマークに反応する複合機も存在しました。ユーリオンを消しても複合機で紙幣がコピーや印刷ができないのは上記理由があると思われます。

注意
ユーリオンによるコピー抑止機能は、複合機側に備わった機能です。よって、その機能が備わっていない機器ではユーリオンは無力です。例えば、家電量販店で購入できるインクジェット方式の卓上複合機、ハンディースキャナー、富士フイルムの複合機などではユーリオン機能が搭載されていないものがありました。


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