新紙幣 2024年 発券 


渋沢栄一 津田梅子 北里柴三郎



2019年04月09日
財務省発表し2024年7月3日発券

紙幣は3種、一万円券、五千円券、千円券(二千円券は新札発券しません)でシリーズF券と呼びます。
「隠された紙幣の能力」らしく情報をかみ砕きます。


紙幣仕様
1.一万円券
肖像 渋沢栄一(大蔵省創設時の初代紙幣頭) 裏面 東京駅
76mm 160mm

2.五千円券
肖像 津田梅子(女子英学塾を創設) 裏面 フジ(藤)
76mm 156mm

3.千円券
肖像 北里柴三郎(北里研究所を創立) 裏面 富嶽三十六景 葛飾北斎「神奈川沖浪裏」
76mm 150mm

すき入れ(すかし)の高精細化
一万円券及び五千円券にテープ状ホログラム
千円券はパッチタイプホログラム

ホログラムは、肖像3D画像が回転する
記番号10桁

識別マーク
目の不自由な人向け
指の感触により識別できるマークの形状と配置変更

2024年 識別マーク F券


額面数字の大型化(表・裏)
2024年 額面 F券 おもて 2024年 額面 F券 うら

デザインとして最悪になってしまった。威厳ゼロ。このデザインでヨシと思った事、理解に苦しむ。
■偽造防止技術

現行の自販機・券売機・ATMなどの識別手段をコスト的に考慮すれば、磁性体反応及び、近赤外線、紫外線、可視光線など光学的反応による電気的センサーでの識別が大前提です。つまり紙幣へ施される識別手段や偽造防止技術に大きな変化は無いと断言できます。

複合機によるカラー複写防止で利用されるユーリオンは引き続き採用されていることは図案からも想像できます。総合的に見ても革新的な技術は見当たりません。
偽造防止策の強化により偽札防止とのニュースもありますが、本当にそうでしょうか?役に立つ技術満載なのでしょうか。

■図案から見る改案(怪案?)

1)感情論
・識別マーク
新しく採用された、視力障害者用の凹版印刷(仮称:識別マーク)は、斜め線による派手な装いでメリハリがあって良かったと思います。
ただし、これは中国紙幣100元で採用されている技術。言わば良きパクり。

さらには、金種毎に識別マークの位置を左右中央、上限、左右対角線と配置したことはメリハリが効くと確実に思え良い改造。 障害のレベルや有無に関係なく誰もが真贋及び金種判定が可能になったと思え舞う。
言い換えるなら、過去の識別バーク(点字?)は役に立たなかったのでしょう。
中国紙幣 100元

中国紙幣 100元 凹版
・ホログラム
1万円券と五千円券には、縦にフィルム状のホログラム(セキュリティフィルム)が配置されました。
肖像を紙幣に採用したのは世界初だと自慢げですが、いかがでしょうか。
日本らしいでしょうか。
縦型の太めのホログラムは世界各国で採用されている言わば世界の常識アイテムです。
日本は世界へ近寄ったのでしょうか。派手になっていくようにも思え御下劣にも感じます。
ホログラムは、肖像3D画像が回転。ホーンテッドマンションの幽霊を思い出しました。

千円札におては肖像だけを小さくパッチワークのように配置。それはまるで卒業アルバムで撮影時欠席した集合写真のようです。
これでもか!と言わんばかりの派手さは、日本の印刷技術を無視したのか、それとも日本の紙幣印刷技術には限界にあり綻びを繕うためのホログラム策でしょうか。

2)最善策か、すき入れ位置
五千円札のすき入れ(すかし)位置がセンターから左に寄りました。
過去D券の五千円券(新渡戸稲造)は左側にありましたので、新紙幣で配置が戻った事になります。

この事象、よく観察すると理由も納得できると言うものです。
2024年7月現在、多くの自販機券売機ATMでは、E券が利用可能です。つまり現行機種からみれば2024年に発券されると新旧合わせて6金種+二千円券の対応を要望されることになります。現行のE券3金種のすき入れ箇所は同一のセンター位置で、これに新紙幣3金種が加わるため、メリハリある差別ポイント(識別ポイント)が必要です。


※ 識別ポイントについて詳しくは紙幣識別の構造磁気紙幣のバラツキ赤外線センサで読取り実験をお読みください。
D券の五千円券(新渡戸稲造)は発行開始日1984年(昭和59年)11月1日、支払停止日2007年(平成19年)4月2日で、2019年現在12年が経過しています。そろそろ自販機非対応でも問題ないでしょう。


・識別方法
紙幣識別機の識別方法でも記載してあるとおり、おおよその金種判定(選別)は、光センサーによる図柄の差を読み取ります。透過型光センサーから、すき入れ(透かし)を見ると、その箇所にはインクが乗っていないため(印刷がされていないため)に光は透過しやすく、印刷されている箇所は透過率が下がります。

極端に言えば、すき入れ(透かし)の位置を見ればおおよその金種判定ができます。

このことから、表面、左端すき入れ(透かし)があれれば新五千円券、中央と左の間にあればD券二千円券、すき入れ(透かし)が中央にあればE券の一万円券、五千円券、千円券、F券の一万円券、千円券と判定できます。

つぎに、ホログラムの配置
ホログラムは反射率が高く、光の透過は限りなくゼロであるため、表面左から光センサーでサーチすれば、唐突に反射挙動が変化すると考えられます。

紙幣左端から1センチ程度で透過されなければ新一万円札で確定です。左から中央までの間で検出できれば新五千円券で確定です。ホログラムが無ければ千円券ですが新旧は、新千円券ホログラムを発見することで見極めることが可能です。

私から見れば、あからさまな金種デザインによる差別化は、機械を騙す偽札がE券よりも簡単になったと想像できました。

D券二千円券及びE券

D券二千円券及びE券
券売機、自販機、ATMにおける紙幣識別能力は、まず選別を確実に行う必要があり、ついでに「偽札判定」が可能なら御の字と言った状態なのが本当のところです。

他ページでも記載していますが、日本は安全な国であるがゆえに偽札は対岸の火事状態です。外国旅行者、オリンピック、カジノ法案と外国通貨が増えるだけでなく、海外からの日本円持ち込みも増えることになります。持ち込まれた日本円紙幣が真券であることを望む次第です。

■■ このたびのシリーズて感想 ■■
ユニバーサルだとか、視認性だとか、万人への利便性追求は良いことですが勢いつきすぎな過剰採用は威厳も疎かになり主権も薄くなると言うものです。
そもそも一万円札の渋沢栄一は、日本に貢献した実業家/文化人アピールですが、実のところ明治四年(1871年)大蔵省創設時の初代紙幣頭であり、今で言うところの理事長のような存在。貢献されたとは言え己の組織トップを日本国の象徴にしてしまう手前味噌状態に見えてしまう。忖度ありましたか?
大きな数字は見やすくていいですね。ダサいけど。







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