自販機/両替機/券売機を荒らしている「偽札」のニュースについて |
2001年9月〜11月、東西で「偽札」が券売機を荒らしました。 「盲点をついた犯罪」と表現したいところですが、(たぶん間違えなく)想定されていた手口による犯罪です。電気センサで得られる信号を判定する機械には限界があります。限界を超えた「偽札」は本物と判定されました。 新聞によれば「高額紙幣の使用を制限していた券売機は対策済み機械から制限解除」だそうです。 今までは偽札対策していなかったのでしょうか。対策をした機械は真札と偽札を区別できるようになるのでしょうか。 過去に、ある人が「機械を通過する偽札があれば、それは本物です。本物と同じ信号を検出したからこそ通過したのです。」と苦笑していたのを思い出しました。もちろん本気の発言ではありませんが、ポイントはそのヘンにあるのでしょう。 想定されていた「偽札」が出回ってしまったからこそ、短時間で「対策」ができたのだと考えています。 安易な対策は「ソフトの変更」(強化)であり、高度な対策は「センサ種の追加」や「位置変更」だと私は考えています。 対策が安易なものであれば、さらなる「偽札」への対応に苦戦するだけでなく劣化した本物が使えなくなります。 劣化については、[鑑別機]-[予備知識]を参照してください。 ↑と書いて3日後平成13年10月16日の朝日新聞には「増やせ新札 偽札減らせ」の記事。 新聞記事はここ 新聞によれば日銀は、緊急対策として流通している千円札の50%を新札にするとのこと。劣化した紙幣を新札と交換し、流通紙幣の平均的「紙質」を安定させるのが目的。 「劣化したお札が無ければいのいだろう」との発想。つまり「しめあげると劣化した本物が使えない」を回避する作戦。 ※この作戦、識別機メーカの能力が限界にきたので税金使って市中から紙幣を回収しようと短絡的なお話です。まだまだ使える紙幣の寿命を短く設定し交換するのですからエコでもありません。 紙質安定化は、偽札を見つける話しではなく本物を見つける話しなのです。 今までは、偽札を見つけようとすると本物も識別できない状態であったことを証明したことになります。 偽札が本物と同じ信号をセンサに与えたからこそ、本物として認識されたのです。偽札が進化し、本物に近い紙質をもったとき偽札と本物の差異はなくなるのです。短絡的な判断をした事で問題は発生しないのでしょうか。 |