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2種類の偽札 |
偽札には大きくわけて2種類あると思います。人間の目をごまかす偽札と機械の目をごまかす偽札です。
見た目でごまかす: 人の手を介して流通してしまう偽札は、見た目にそっくりな偽札。 機械をごまかす: 機械の目をごまかすには見た目よりは電気的特性が似ていればよく、自動販売機を狙った犯罪につながりやすいようです。 |
見た目でごまかす |
当初はタクシーで偽札が使われたようです。イメージスキャナーで取得したカラー画像をインクジェットプリンタで出力したと思われます。出来具合は最低で見た目にも手触りも本物とは似ていません。しかしながらコピー機で作られた偽札を見た事の無い人は、この違いを見抜くことができなかったようです。日本人の偽札に対する情報不足も原因のひとつではないでしょうか。 1) 全体に赤みがかかっている 2) ホログラムがきらめかない 3) 凹版箇所がつるつるしている 4) 透かしがない等の紙幣は偽札です。
本物の紙幣とカラーコピーの偽札の違いは、カラー印刷の偽札と本物の違いをお読みください。 |
機械をごまかす |
意外にも単純なのが機械による紙幣識別です。自販機で採用されている識別方法は、偽札等の真贋を判定するものではなく、金種(千円/五千円/一万円)を区別する程度の能力しかないように思われます。
実例1 有名メーカの最新USドル偽札鑑別機で実験することができました。高度な印刷技術も熟練した偽札製造技術も必要ありません。なんと手書きの紙が簡単に通ってしまい本物と判定されてしまいました。写真(左)は、実際に真券と判定された手書きの「ただの紙1」です。この「ただの紙1」は手書きの前に簡単な細工をしていますが、偽札鑑別機の仕組みがわかれば誰にでもできる簡単な細工でもあります。 実例2 街中で使われている両替機で実験をすることができました。 パソコンとカラーページプリンタを使い実験用の「ただの紙2」を準備。両替機を個人購入してから「ただの紙2」の能力を確認しました。両替機は「ただの紙2」を本物と認識し両替することに成功しました。写真(右)は、偽札騒ぎが多発してから政府が入れ替えた2004年(平成16年11月1日)より発行されている野口英世の千円紙幣E券を模した「ただの紙2」です。 |
高度な偽造防止策が施されている紙幣であっても機械から見れば所詮は紙の印刷物です。偽札鑑別機や両替機は偽造防止策のごく一部しか判定できないようです。電気的センサーからの信号のみで判定しているため、本物に近似な挙動を示すことができれば誤認してしまうのです。 実験で機械に優劣をつけることも可能なようです。さらに「必ず偽札は発見できる」と表現するのは問題がありそうです。 市販されている偽札鑑別グッズを過信してはいけません。 特にディテクターペン(DETECTOR PEN)は、それに対応した偽札を作ることも容易です。 「ただの紙」が真券と判定されるのも困りますが本物なのに「偽札」と判定されては大損です。偽札と判定された真券は[アメリカドル]-[製造年を知る必要性]-[シリーズ]と[中国人民元]-[紙幣のABC]-[劣化(1)]をご覧下さい。 |
技術を過信されている方が多いようです。当サイトに記載している偽札防止技術で特に機械に対する問題点を纏めました。「新技術を追加しても改良してもニセ札は減らない」をご一読ください。 |