二千円問題


最新技術で作成される二千円札は、犯罪からの標的?!



■慣れるのは時間の問題?
1958年に一万円札が発行されて依頼、久しぶりの新紙幣の追加となりました。しかも日本人としては半端な額となる2000年発行だから二千円札?
2円硬貨、20円硬貨、200円硬貨が存在したら、どんなに気持ち悪いでしょうね
しかし、よく調べてみると戦後しばらく20円と200円の2種類が存在していました。さらに世界的に見ると2の付く紙幣は珍しくないようです(2ドル/20ドル、200フラン、20ポンド、20ユーロ等)。

■経済効果は?
何枚も千円札を入れていた券売機も多少は扱い安くなるでしょう。 自販機メーカーや金銭機器メーカも新紙幣への対応を急ぐことになります。二千円対応財布などの便乗商品も発売され好調の売れ行きのようです。経済効果はわかりませんが、関係会社は二千円札様々?!

上記を二千円札が発行されたときに書きましたが、10年以上経過した現在、記念紙幣以外の何ものでもないようにも思えます。経済効果もゼロ。

■安心な紙幣?
二千円札はD券以上の偽造防止策が施されます。そう簡単には「見た目でごまかす紙幣」は作れない事になっています。※1
それ以前に流通しなくては偽札を作る人もいないかもしれません。

※1
コピー機や複合機、カラーインクジェットプリンタには、偽札を印刷させないための技術が施されていますが、過去に発券された紙幣全てを対象とはしていないでしょう。旧タイプのD券である二千円札が偽造防止技術に対応しているかはメーカの気持ち次第です。

■難易度のある二千円札
二千円札のサイズに注目してみます。縦が他3金種と同じ76mmに対して横の長さが154mmと中途半端になってしまいました。紙幣のABC(基礎知識)をご覧下さい。
紙幣識別機側から考えると横の長さが5mm単位だった3金種(千円、五千円、一万円)は、長さを見るだけで概ねの金種判定が可能でした。しかし二千円になると五千円より1mm短いだけ。
金種判定を横の長さに頼れなくなりました。二千円札対応で五千円札の解析ロジックにも影響がでるハズです。
識別機は、その機械仕様で明暗がでました。簡素なロジックを持つ識別機は、この事で安易に二千円対応ができません。不人気に加え対応機種が増えませんから紙幣の流通も困難になります。

平成16年11月1日、新紙幣(E券)より、この不都合を回避するため五千円札が1mm長くなり、さらに明確な区別ができるように透かすことで見える縦線が入りました。D券との差別化は増えたようです。

■狙われる対応機
紙幣識別機や鑑別機も二千円札への対応が必要となります。他金種と同等の信頼性(精度)を維持できればよいのですが。

識別機や鑑別機は、多くの紙幣データを採取し、その最大値/最小値の範囲に入った紙幣を本物とするのです。さらに、偽札の特徴も入れて判定要素としている機種もあるようです。本物のデータと偽物のデータを予め知る事で、使われた紙幣を検査をしようと云う考え方です。つまり多くの情報を得る事が何よりも重要なのです。
流通したての二千円札には、まずは劣化特徴がありません(不安が残るを参照)。
新札(ピンサツ)のサンプルデータとし採取すれば最大値と最小値の幅は狭くなり、劣化が発生した紙幣は拒絶されてしまいます。これでは困るので、ある程度想定したデータを事前作り込む事になります。
さらに、真券の二千円札がデビューする前なら、当然偽札も存在しません。二千円札対応機の初期ロットには偽札情報を入れる事もできません。
ピンサツの情報と想像で作った許容データ、加えて偽札情報が無い二千円札、まさに偽札を作ろうとする犯罪者の狙いドキ。できたて二千円札対応機を利用(管理)する人は十分な注意が必要です。




BACK  TOP  NEXT