(1) カラーシフティング 左:真券、右:偽券
紙幣表左下にある「100」、傾けると色が緑から暗い緑へ変化するのがカラーシフティングです。
偽物は輪郭など数字の内の模様(線)が不鮮明です。さらに傾けても色が変わることはありません。しかし正面から見たときの色合いや手触りは似ています。

(2a) すき入れ 左:真券、右:偽券
紙幣左にあるすき入れ(すかし)、光にかざすと毛沢東の肖像画が見えてきます。
偽札のすき入れは若干だが線の太さが違う。見比べると違いに気がつきますが偽札1枚だけを見たのでは真贋判定は難しでしょう。

(2b) すき入れ 左:真券、右:偽券
紙幣左下にあるすき入れ(すかし)。場所はカラーシフティングの右側。光にかざすと100が見えてきます。
偽札は光にかざしても文字の輪郭は不鮮明。

上:真券、下:偽券
偽札は光にかざさずに直接見ると100の文字をしっかりと見る事ができる。
光にかざさない場合は綺麗に見えるため一見すると偽札の方が本物かと勘違いするほどです。この事から偽札は100の文字を白で印刷しているのではないかと想像しています。

(3) マイクロ文字 左:真券、右:偽券
マイクロ文字は文字や数字で描く模様の事。肉眼では線や模様にしか見えない。虫眼鏡を使うと文字や数字が見えてくる。
偽札には文字の「かすれ」があるもののマイクロ文字としては再現されていると言っていいでしょう。

(4) 安全線 左:真券、右:偽券
中国紙幣の安全線はホログラムで「\100」がプリントされ角度を変えるとキラキラと色が変わるフィルムが紙に織り込まれています。紙幣の表からは1本の線に見えますがウラから見ると糸の縫い目のようになっています。
偽札は銀色の100の文字が直接紙にプリントされていました。一見すると違いもわからず、また偽札の方が100の文字が読み取りやすいために、本物と勘違いしてしまうほどです。

(5) 凹版印刷 左:真券、右:偽券
紙幣表右側にある12本の線。凹版印刷とは、指で触るとインキの盛り上がりがありザラザラとした感触があります。 偽札は凹版印刷されていないために、一般の印刷やコピーのように感触はなくツルツルしています。但しこの偽札は紙に凹凸が施されているので、凹版らしい(はっきりはしていない)感触もあります(偽札写真の線右側に紙が波打っている)。

(6) 特殊インキ 左:真券、右:偽券
特殊インキは、通常の可視光線の下では見ることができませんが、紫外線(ブラックライト)を使うことで確認できます。
偽札は輪郭があまく、また光も弱く感じます。但しこれも真券との比較で違いがわかる程度で、1枚だけ見たのでは真贋判断は難しいでしょう。

(7) 合わせマーク(古銭貨幣デザイン) 左:真券、右:偽券
発行時期で場所は異なりますが、表面左中央または表面左下側にある丸型のデザイン(古銭をモチーフにしたもの)、光にすかすことで表と裏のデザインが重なると古銭図案になります。素人が複写機などで偽造紙幣を作ろうとするとどうしても裏と表にズレが生じます。この偽造防止技術で裏表にズレが無ければ真券である証明としたかったのでしょうが、残念ながら偽札もズレはなく素人目に真贋判断は難しいでしょう。
但し、若干ですが偽札は印刷のシャープと色合いに弱さがあるようです。
表面 左:真券、右:偽券 真券はオレンジに近い色。

裏面 左:真券、右:偽券

透し 左:真券、右:偽券 真偽ともにズレは無い。

図案の元になった古銭(例)

(8) 潜像模様 左:真券、右:偽券
潜像模様は見る角度を変えると文字が見える偽造防止技術。
1列目から2列目の写真は角度を変えて撮影しました。真券は変化ありませんが偽券は「100」が見えてきます(偽券は軽く紙幣を傾けるだけに「100」が見える)。
真券は限りなく紙幣を水平にしないと「100」の文字が見えてきません(写真下)。この微妙な違いは偽札の方が理解しやすく勘違いしそうです。


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