お札が戻ってくる理由とは


自販機や券売機に本物の紙幣を入れても戻ってくる 本物なのに



メーカの言い訳
2010年(平成22年)あるWebPageには、次のような質問と回答(メーカ)がありました(下記は要約)。

Q:自販機に千円札を投入するも、何度入れても戻ってきてしまい、結局断念・・・何故お札は戻るのか。
A:無人となる自販機は機械の中にお札が詰まっても対応できない、そのため汚れ破損に厳しくしている。

ここで質問者の言葉として
駅の券売機などは、人が対応できるタイプでほぼ100%の紙幣を受け付けるそうだ。
ATMは識別率・受付率ともに100%に近いそうです。
無人の自販機に関しては真贋識別だけでなく機械トラブルを防止するために100%受付は難しいだろう。
キレイなお札は缶コーヒーを買うためにとっておこう。
と締めくくっていた。
※ここでは、あえてニュースソースとメーカ名は公表ません。


本当の理由は、メーカの話しとは違うところにあると考えています。
そもそも、自販機の類は無人であることが条件で作られているはず。
さらに、汚れた紙幣が使われて壊れるようなちゃちな機械は作っていません。事実、10年程前は汚れやシワなど劣化した紙幣が多く流通していました。
[鑑別機]-[ばらつき]でも紹介してますが、劣化が進むと電気センサから見て、紙幣のバラツキ(個体差)は大きくなります。
このばらつきを全てokとするためには、識別機のストライクゾーンを広げる必要があります。その結果、劣化した紙幣に近似である偽札をも本物と誤認します。
進化(本物の紙幣とセンサ的な挙動が類似)した偽札に対して識別機を厳しく締め上げストライクゾーンを狭めたいところですが、そうなれば劣化した本物の紙幣は使えなくなります。
偽札を鑑別する有効な方法が見つからないメーカのために、日銀は新札の入れ替えを進め、紙幣のバラツキを小さくしようとしたのです。[考察]-[自販機VS偽札]
現在キレイな紙幣が流通しています。ATMから出てくる紙幣には折り目もシワもありません。メーカは紙幣識別機のストライクゾーンを狭めることができ、劣化した紙幣に類似した偽札を拒絶することができるようになりましたが、それと同時に少々の汚れやシワがある本物の紙幣さえも識別機からみればストライクゾーンには入れず拒絶されてします。だから、少々のシワがある本物の紙幣は自販機から戻ってくるのです。

缶コーヒーを買うのにキレイなお札を財布にとっておく?ピン札をですか?折りたたむ財布には入れるな!と言う意味でしょうか?思わず突っ込みを入れたくなるほど間抜けな内容でした。
※もしかすると、この記事を書いたライターさんはメーカに嫌みの意味で書いたのかもしれませんね。
それにしても、税金投入して紙幣寿命を短くし、市中から使える紙幣をピン札と交換しているのは事実。それを無視したメーカ回答にがっかりした内容です。


ピン札しか使えないJR券売機

「機器故障の恐れがありますので、曲がった硬貨・紙幣・カードはご遠慮ください」と記載があるJR駅の券売機。確かに、曲がったカードや硬貨はNGでしょうが、曲がった紙幣って折り目があるお札はNGと言う意味なのか?だとしたら殆ど利用できないことになる。 メーカにはもう少し本気でアルゴリズムに取り組んでもらしたいものです。

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