汚い中国人民元


汚すぎて偽札と誤認されてしまう 10元(A)は本物?  2



すかし
紙の厚みを変化させる事で図柄を表現しています。

(A)両替不可:
紙質として色は劣化しているがすかしの輪郭は深く本物と判断できる。但し色が全く違うので真贋判定することは容易ではない。

(B)偽札:
すかしは存在するが、輪郭などメリハリにかける。但し比較するものが無ければ偽札と判断することは難しい。

(C)本物:
輪郭もシャープで疑いをもつこともない。マイクロ文字は鮮明であり本物と判断できる。

透かしは確かに存在している3種類の10元。(A)は汚れから色が違います。(B)は輪郭が弱く、透かしだけでは(A)も(B)も偽札だと思われる可能性があります。

10元 すかし(すき入れ) 左:劣化、中:偽札、右:本物

安全線(セキュリティスレッド) すかした状態
安全線はセキュリティスレッドとも呼ばれ、紙幣の紙の中に織り込まれた偽造防止技術です。素材はフィルムやホログラムが使われます。国名や通貨単位、額面が数字やその国の言語で印刷されています。中国紙幣はホログラムが採用されています。
糸で生地を縫うように織り込まれているので、光源にかざせば1本の線として黒く見える事になります。

(A)両替不可:
安全線は1本の線として見えます。このことだけを条件にすれば本物と思われます。

(B)偽札:
波線のように見えるのは、表から見えているホログラムだけを貼り付けている為その箇所が黒く見えます。間違いなく偽札です。

(C)本物:
縫い込まれたフィルムですから光源にかざせば1本の線に見えます。もちろん本物の紙質を持っています。

10元 安全線(セキュリティスレッド) 左:劣化、中:偽札、右:本物

安全線(セキュリティスレッド) 上から見た状態

(A)両替不可:
キラキラと輝く金属感のあるフィルムですが、劣化の問題なのかホログラム特有の虹色に輝くことはありません。汚れのせいだと思いたいところですが不安が残ります。

(B)偽札:
輝きの度合いは(A)と変わりありません。上から下にかけて徐々に薄れています。削られてしまったかのように。

(C)本物:
波線上に輝きはしますが、真贋を判定するほど信頼性は感じません。

肉眼で表面を見た限りでは、(A)劣化紙幣も、(B)偽札も、(C)本物もその差をはっきりと見ることは出来ません。中国紙幣に限って言えば差異は無いと言えます。

10元 安全線(セキュリティスレッド) 左:劣化、中:偽札、右:本物

安全線(セキュリティスレッド) クローズアップ

(A)両替不可:
金属感のある帯ですが、その上から印刷がされているかにも思えます。ホログラム感はまったく無く真偽のほどはわかりません。
(B)偽札:
コピー印刷した後に上から銀紙を貼り付けただけのように思えます。ホログラム

(C)本物:
クローズアップして初めて「\10」の文字を見ることができました。ホログラムであることも確認でき本物だと確信でききます。

劣化の激しい紙幣が普通に流通し続ける中国紙幣においては、本物だとしても偽造防止技術までもが劣化し真偽を確認するポイントとしては力不足です。このことから、(A)が本物であるかは不安になります。

10元 安全線(セキュリティスレッド)クローズアップ 左:劣化、中:偽札、右:本物


BACK  TOP  NEXT